あらすじ
「このドレスは、僕の戦闘服だ。――弱さを隠すための、最強の鎧」
月島湊(つきしま みなと)32歳。
彼は、伝説の歌姫を彷彿とさせるミニスカートのスーツとニーハイブーツで武装し、〝咲良 杏(さくら あん)〟という名のカリスマモデルとして再ブレイクを果たした。
男性であることを公表しながらも、その媚びないクールな美貌は〝時代のアイコン〟と崇められる。
だが、その仮面の下には、長年患う精神疾患と、自己肯定感ゼロの〝弱い自分〟が震えていた。
そんな彼を唯一救ったのは、国民的大女優・早見凛花(はやみ りんか)34歳。
「杏の強さも、湊の弱さも、全部愛おしい」
年上の彼女の包容力と、甘く濃厚なセックスだけが、湊を生かしていた。
しかし、二人の密会はスキャンダルとして暴かれ、世間は〝格差愛〟〝メンヘラ男〟と湊を断罪する。
絶望の淵で、湊は決断する。
喪服ではなく、最強の戦闘服(ドレス)を纏い、愛する人とともに世界へ宣戦布告することを。
「凛花。俺の〝道連れ〟になってくれる?」
「地獄の果てまで、付き合ってあげる」
これは、虚構(フェイク)から始まった二人が、世界で一番リアルな「愛」を証明するまでの物語。