あらすじ
春宮家に産まれた女は皆、名前が『さくら』にされる。
髪型も服も、好みとする色も決められる。
自我は潰され、春宮家が信仰する『さくら様』そっくりに育てられるのだ。
この冬、十八歳の誕生日を迎えたさくらは、十年前に交わした約束を思い出していた。
『大人になったら、迎えに行くから。そしたら、結婚しようね』
『さくら様』ではなく、さくらを普通の女の子としてみてくれた少年。
彼は約束を覚えているだろうか?
覚えていて、約束どおりに迎えに来てくれたなら、さくらは喜んで手を取るだろう。
ただし、さくらのことを探し当てることができたらだ。