あらすじ
※暴力シーンあり
いつもの通学路に、必ず同じ時間に座っている子がいた。
朝も夜も、家の前でじっと座り込んでいる。名前も知らない、ただそこに“いるはずの子”。
最初は整った身なりだったその子は、日に日に汚れ、疲れ果てた表情になっていった。
それでも主人公は関わることが怖くて、見て見ぬふりを続ける。
まるで、そこに“透明な存在”がいるだけのように。
──ある日。
いつもいたはずの場所に、その子の姿がなかった。
家の前を通っても、通学路を歩いても、どこにもいない。
学校でも、ニュースでも、SNSでも、その子の話題はひとつも出てこない。
「ただ消えただけ」
そう思い込もうとするほど、胸のざわつきは大きくなっていく。
そして主人公は気づく。
見たくなかったものから目をそらし続けた結果──
自分は、取り返しのつかない“何か”から逃げていたのかもしれない、と。