あらすじ
高校二年の湊(みなと)は、何事にも熱中できず、淡々と毎日をやり過ごす少年だ。
幼い頃に絵を描くことに没頭していたが、ある出来事をきっかけに筆を折り、
学校という「無色の箱庭」で省エネのように生きている。
そんな湊が唯一落ち着ける場所は、放課後の図書室。
本と静寂だけが息づくその空間で、湊は“配役”から解放されたような安堵を感じていた。
ある夕方、彼の前に現れたのは、儚げな美しさを纏う同級生・一ノ瀬栞。
彼女は、湊がかつて憧れ、そして挫折の象徴でもある画家の作品集
『未完の青』を切実な表情で求めていた。