あらすじ
商店街の一角にある「便利屋しのはら」。
そこに持ち込まれるのは、
“失くした指輪”“消えた写真”“届かなかった手紙”――
どれも少しだけ不思議で、少しだけ切ない依頼ばかり。
店主の篠原透は、どこか不器用で口数の少ない男。
だが彼には、人には見えない“想いの残像”が視えるという秘密がある。
“強い思い入れのあるもの”に触れると、
そこに刻まれた記憶や感情が断片的に浮かび上がるのだ。
明るく人懐こい相棒・木藤真琴とともに、
二人は人の心のほつれを少しずつほどいていく。
事件ではなく、人生の陰影を拾い上げる“心の再生ドラマ”。
読後には、きっとパンの香りと、
少しだけ温かい気持ちが残ります。
👥登場人物紹介
篠原 透(しのはら とおる)
便利屋しのはらの店主。三十代前半。
甘党で、頭脳明晰だが人付き合いが苦手。
“視える”のは幽霊ではなく、強い想いが宿る「ものの記憶」。
決め台詞は「……視えてきたぞ」。
木藤 真琴(きとう まこと)
明るく面倒見のいい女性。二十代後半。
依頼人の話を丁寧に聞き取り、篠原の“翻訳機”のような存在。
篠原に少し特別な感情を抱いているが、本人は気づかないふりをしている。
ショコラ
商店街をうろつく黒猫。
何かと二人の前に現れ、依頼が動き出す“きっかけ”を作る。