あらすじ
舞台は、海と山に挟まれた人口二十数万の地方都市・日邑(ひむら)市。
主人公の 佐伯湊(さえき・みなと) は、地方国立大学の二年生。文学部に在籍しているものの、特別やりたいこともなく、授業とサークルとコンビニ弁当の、ぼんやりした日々を送っている。
ある日、友人から回ってきた求人サイトのリンクをきっかけに、湊は少し風変わりなアルバイトを見つける。
それは「代理屋カケハシ」という小さな事務所が出している求人だ。仕事内容は「各種代理出席・同行・謝罪・人数合わせなど、人間関係のすき間を埋めるサービス」。時給は悪くないが、内容はどこか胡散臭い。
半信半疑で面接に行った湊は、事務所の代表である 神谷薫(かみや・かおる) と出会う。
年齢不詳で、口は悪いがどこか飄々としたこの男は、「人間関係そのものを売り買いするわけじゃない。ただ、一時的に肩代わりするだけだ」とあっさり説明する。