あらすじ

高校初日。いつも通りの朝を迎えながら、千映(ちえ)はしまわれたままの椅子に寂しさを感じてしまう。 二年前、大学進学を機に家を出た兄とはそれ以来会っていない。 兄が家に帰って来ない原因をつくってしまった自分。 過去にも向き合えなければ、中学からの親友である美晴(みはる)の気持ちにも気づかないフリをしている。 眼鏡に映る世界だけを、フレームの中だけの狭い視界を「正しい」と思うことで自分を、自分だけを守ってきたけれど――。    * 眼鏡を新調した。 きゅっと目を凝らさなくても文字が読める。ぼやけていた輪郭が鮮明になる。初めてかけたときの新鮮な気持ちを思い出させてくれる。だけど、それが苦しくもあった。 まるで「あなたの正しい世界はこれですよ」と言われている気がして。眼鏡をかけて見える世界こそが正解で、それ以外は違うのだと。 どうしてこんなことを思うようになってしまったのか。 それはきっと――兄が家を出ていったからだ。    * フォロワー様にいただいたイラストから着想させていただきました。 素敵なイラストありがとうございます。 (イラストの掲載許可はいただいておりますが、ご希望によりお名前は掲載しておりません)

連載情報

ウェブ小説

配信言語
エブリスタ
エブリスタ2021/12/13
  • 現在の作品視界を染める景色