あらすじ
入院前に「髪を短くしてきてください」と告げられた、八十歳の里子。
団地の四畳半で、娘の彩花は、母の腰まである髪を本当に切ってしまっていいのか迷っている。
遊び心たっぷりの孫・凛は、お婆ちゃんの髪で“2段重ねのくるりんぱ”や編み込みを試しながら、「生きててくれれば髪なんてどうでもいいじゃん」と泣き笑いし、
「髪なんて切ったって伸びるし、伸びたって抜けるよ。大事なのは、誰が触ってくれたかだよ」と里子は静かに笑う。
髪を切るか、思い出を残すか――その間で揺れる彩花が、最後に選ぶ“送り出し方”とは。