あらすじ
「呪殺率世界一位」――そんな不名誉な称号を持つ現代日本で、人知れず呪いを祓う能力者が存在した。
主人公、黒曜瞬(こくよう しゅん)は、前世で強力な魔術師だった記憶を持つ転生者。だが、生まれ変わった現代日本では呪力の才能がほとんどなく、彼の呪術は最下級の呪霊さえ祓えないほど貧弱だった。それでも、前世での凄惨な死の記憶から、「死への恐怖」だけは極限まで磨かれていた。
「俺は、絶対に死なない」
瞬は、前世の膨大な知識と、わずかな呪力を効率よく使うための肉体鍛錬という「力技」に活路を見出す。彼は呪力を一切使わず、純粋な膂力と古武術、そして呪力を凝縮した特殊な打撃だけで呪霊を物理的に破壊する、異端の「最底辺祓魔師」として生きることを選んだ。
しかし、日本全土で呪殺事案が激増する裏には、人類の根絶を望む最悪の特級呪霊『禍ツ神(まがつかみ)』が関与していた。貧弱な呪術師・瞬は、その圧倒的な暴力と恐怖に抗い、己の生存戦略を貫き通すため、世界最強の呪霊をその拳一つで叩き潰すことを決意する。
これは、「死にたくない」という極めて利己的な動機から、世界を救ってしまうかもしれない、異色の祓魔師の物語である。