あらすじ
深窓の令嬢・西園寺須磨子は、友人の美佳に誘われて初めて“庶民のお店・しままち”へ降り立つ。
値札の安さに「ひと桁多いとばかり思っておりましたのに……」と驚き、次々と試着しては爆買い。
美佳に「これがしままちプライス!」とツッコまれながらも、須磨子は新しい世界に胸を躍らせてゆく。
その日の午後、西園寺家のサロン。
アフタヌーンティーを楽しみながら、須磨子は美佳との出来事を嬉々として母に語り聞かせる。
母は優雅に相槌を打ちつつ、「あなたも随分と世界が広がりましたわね」と微笑むのだった。
――まだ、この時の須磨子は知らない。
この“初めての外の世界”が、やがて大きな胸騒ぎへと繋がっていくことを。