あらすじ
血は胆汁に変わる——そんな四体液説が当たり前に信じられている世界で、
少年ロバートは “それは誤りだ” と自らの実験で証明してしまう。
だが、真実は賞賛ではなく排斥を連れてきた。
宗教を信じない彼は学校から異端者扱いされ、教師から疎まれ、
同級生からも蔑まれる。
唯一の救いは、誰からも好かれている双子の弟・レイだけだった。
やがて近づく王立学術コンクール。
ロバートは四体液説を覆す研究で勝負に挑むが、
学校側の陰謀によって 票はすべて“無効票”として握り潰される。
信じていた親ですら彼を“嘘つき”呼ばわりし、
世界のすべてが敵に変わった時——
ロバートの心は決壊する。
燃える自邸、崩壊した家族。
その中でレイが差し出したのは、焦げた羊皮紙と柔らかな笑顔。
「ちょっと燃えちゃったけど、これ。
僕からの最優秀賞!」
——その瞬間、ロバートの世界に残った最後の光が、確かにそこにあった。