あらすじ
若くして玉座に就いた王・燿昂は、孤独と権力の狭間で静かに心を摩耗させていた。
冕冠の重さに縛られ、誰の前でも素顔を見せられぬ日々。そんな彼が唯一「人」として呼吸できたのは、十歳年上の臣・宗義の前だけだった。
時に諫め、時に寄り添い、ただ一人、王の孤独を知る男。
民の姿で歩いた城下町のひとときも、茶屋で交わした微笑みも――互いに許されぬ想いを胸にしまいながら過ぎていく。
だが、病は容赦なく王を蝕み、わずか二十五歳で命を奪いに来る。
崩れ落ちる身体、溢れる鮮血。
忠義か、愛か、国か、ひとりの人か。
宗義が最後に選んだ答えとは――。
これは、王と臣という枠の中で、決して成就せぬ恋を抱き続けた二人の、
静かで、痛ましく、美しい別離の物語。
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本作は、ひとつの仮想王国を舞台にした短編集。その第二弾としてお届けしました。
全五編を予定しています。
群像劇としても楽しめる作品になっておりますが、オムニバスとして独立しております。
個々の主人公たちが、どこかで交差し、互いに影響を与えていきます。
主従、親と子、兄と弟といった人間関係が、時として忠義や誇りをどう揺るがすのか。
次作も是非楽しみにしていただけたら嬉しいです。