あらすじ
「幽霊など存在しない。この世にあるのは物理現象と、脳が見せる『バグ』だけだ」
大学の民俗学准教授・久我山蓮(くがやま・れん)は、端正な顔立ちに着崩した和装、
そして首には最新鋭のノイズキャンセリングヘッドホンという奇妙な出で立ちの変人だ。
彼は空間の「音」を視覚的に捉える特異な能力を持ち、
あらゆる怪異を「科学と物理」で解明するオカルトバスターの顔を持っていた。
「歩く不運」こと新米編集者の月見里(やまなし)ヒナは、友人の実家で起きている「天狗の祟り」の相談を蓮に持ちかける。
夜な夜な響く不気味な笑い声、勝手に動く家財道具、そして体調を崩す住人たち。
現地へ赴いた蓮は、ヘッドホンとPC、そして巨大スピーカーを駆使して、
祟りの正体である「家全体が巨大な笛となるトリック」を暴き出す。
祝詞の代わりに重低音を、お札の代わりに逆位相音(アンチフェーズ)を。
科学的除霊(物理)が炸裂し、事件は鮮やかに解決――したかに思われた。
だが、蓮の「耳」だけは気づいていた。 科学で説明がついた現象の裏に……
論理的で爽快な謎解きと、背筋が凍るラストのどんでん返し。 軽快なバディが送る、新感覚・音響物理ミステリ!