あらすじ
終戦直後。GHQの地下室で、若き通訳官カジは、
陸軍参謀が最後に遺した“暗号手帳”と向き合うことになる。
数字、漢詩、地名。
読み解けば読み解くほど、真実は“逆向き”へとカジを誘う。
富士か、出雲か。
国家の遺産か、虚無か。
参謀は何を守り、何を隠し、誰に託そうとしたのか。
やがてカジは、
「報告すべき場所」と「向かうべき場所」が違うと悟る。
戦争は終わった。
だが、この国の秘密はまだ息をしている。
カジが辿り着いた“答え”は、
財宝でも機密でもなく——
日本という国が捨てなかった小さな意志だった。
読んだ者の胸に、
静かな火を灯す戦後ミステリ。