あらすじ

高校二年の俺は、宿題もろくに出さず、むさ苦しい男子ばかりのコンピュータ部でゲームに逃げる日々を送っていた。 ある日の下校中、自転車で転倒し、動けなくなった坂道。先生を呼びに走ってきたのは、その“目立つ子”だった。保健室と廊下で交わした、「ありがとう」と「早く良くなるといいね」。それだけの出来事が、世界を少しだけ変えてしまう。 クラスではほとんど話したこともない。彼女にとって俺は、大勢いるクラスメイトの一人にすぎないはずだ。それでも、俺にとっては、黒板の前でプリントを配る横顔、友達と机を寄せて話しているときの視線の配り方、ノートとシャーペンの並び方までが、視界の端に勝手に入り込んでくる。 周りになんて気づかれないように気を配りながら、それでも目で追わずにはいられない。「好きだ」と言葉にする前の焦れた感情だけが、静かに膨らんでいく。

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小説を読もう2025/12/03
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