あらすじ
夜勤明けで自宅アパートに戻った佐藤慧。静まり返った廊下で、自分の後をついてくるような足音に気づく。振り返っても誰もいない。さらに、隣室は数年前から空き室のはずなのに、耳元で囁くように自分の名前が呼ばれる。
恐怖と混乱の中、慧は部屋に逃げ込むが、足音は部屋の中まで追いかけてくる。低く唸る声、背後で触れられる感覚、パソコンに映る自室の映像――すべてが現実なのか幻なのか分からなくなる。画面の奥には、こちらを見つめるもう一人の自分の姿。
恐怖は終わらず、毎晩、足音は消えない。部屋にいると必ず背後から呼ばれる。しかし振り返っても、そこにいるのは影だけ。慧は自分一人ではいられない、異様な空間に囚われてしまったことを悟る――。