あらすじ
別れの言葉もなく、事故や事件など、突然の死によって愛する人と引き裂かれる別れほど、胸をかきむしられるものはない。
そうした別れを味わった主人公の若者が、もう一度だけ愛した人間とわずかの時間でも話をしたいと苦しみ、かなわぬ現実に悲しむ。
人間関係が希薄で簡単にリセットできる現代社会。
傍目には滑稽にしか見えないその姿を通じ、絶対に忘れられない深い愛情の尊さ、高貴さ。例え命を失うことになっても、愛する人が自分を想い続けくれると信じ切れる永遠に離れない愛のすばらしさを描く純愛小説。
主人公の若者の成長と、恋人だった先輩の事故死の真相というミステリー要要素も加味。
僕、日下健(くさかけん)は高校二年の時、大切な女性(ひと)を失った。
小学生以来、ずっと一緒だった一年上の七瀬先輩!作家をめざし、合作小説を続けていた七瀬先輩!わがままで意地悪で、みんなからドラ猫と呼ばれ嫌われてた七瀬先輩!
でも本当はとってもやさしかった七瀬先輩!
「ずっとずっと一緒だ!裏切ったら契約違反だ!」
なんて言ってたのに、七瀬先輩の方が約束を破った・・・
高校三年。学習合宿先のボート走の際、ボートが転覆し、僕への別れの言葉もなく逝ってしまった・・・
僕は、「おかしくなった」と噂され、おかしいまま、大学一年になった。
もう一度だけ・・・たった一分だけ・・・七瀬先輩と話がしたい・・・
七瀬先輩の親友のサキ先輩が、僕を心配してくれるけど、僕は何も受け入れられない。
もう二度と会えない七瀬先輩との対話を熱望する中で、僕を助けようと招待してくれた七瀬先輩のお母さんの話から、僕の知らなかった生前の七瀬先輩の苦悩する姿が見えてきた。
七瀬先輩との対話という果たせぬ願いを求めてあちこち彷徨い続ける僕の思いは、ついに思いもよらぬ展開へ進んだ!
七瀬先輩が僕に遺した新品のノート。
途中の頁に思いもよらぬ七瀬先輩の書き込み。
「健ちゃん!君とは絶交!」
それが先輩が最後に僕に遺した言葉だというのだろうか?
絶望する僕だったけど、自分を見つめ直し、これからどう生きて、どう七瀬先輩のことを伝えていくか、その思いの全てをノートに書き綴る。
そして最後に起きた奇跡。
先輩の死の真相・・・
公募参加に合わせて、新ストーリーも加えて全面改稿。