あらすじ
勝ち組に見える大手の人材紹介会社で働きながら、実際には「勝ち組の中の負け組」として空気みたいに扱われている阿久津。
ストレスに押し潰されそうになり早退した帰り道、日本庭園で突如ドラゴンに遭遇する。
高層ビルは城へ変わり、ドラゴンは阿久津を「伝説の勇者アークツ」と呼ぶ。
会社への怒りも虚無も全部ごちゃ混ぜのまま、阿久津は自分の“最強スキル”——電話営業で鍛えた 90度謝罪 をぶっ放し、ドラゴンを撃退。
美女ジャスミンに崇められ、スローライフへ踏み出す……というテンプレ異世界ルートに入ったかと思いきや、全部ミーティング中の白昼夢だった。
だが現実の職場で、嫌味な同期に「クライアント人気で担当チェンジされた」と告げられ、優しい井上さんからチャットが届く。
気づけば阿久津は、異世界でも現実でも“誰かにちゃんと見られていた”。
テンプレみたいで、テンプレじゃない。
これは、逃げ場を探していた社畜が見つけた、ちいさな救いの物語。