あらすじ

山深く、霧の絶えない谷に、 ひとりの魔法士が身を潜めていた。名はユベル。 彼は禁じられた術式を用い、 亡き息子の面影を追うように―― ひとりの“少年”を造りあげてしまう。 それがアルス。 歩き、言葉を理解し、 日ごとに魔法を覚えていく。 ただ、その瞳だけは空っぽで、 感情の色がどこにも宿らない。 荒れた山小屋で、 ユベルはすべての研究と願いをアルスに託し、 静かに息を引き取った。 残されたのは、 世界を知らない造り物の少年ひとり。 「ぼくは……どうして、生まれたの?」 その問いの意味すら曖昧なまま、 アルスは山を下りる。 自分という存在を、 心というものを探すために。 ――そして彼はまだ知らない。 その身に宿った力が、 世界の〈罪〉と向き合う運命を呼び寄せることを。

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小説を読もう2025/12/02
  • 現在の作品造物のアルス