あらすじ
夜の帳が降りるころ、リア・マンガクは古びた屋敷の窓枠に座っていた。
魔導書の灯が彼女の頬を照らす。
「師匠の夢は、百年生きることなのです。なのに、もう九十六なのです」
そう呟いた。
そこへ、黒衣をまとった老人――クロ・マークが現れた。
「お前の師匠、スグシ・ヌーヨの寿命はあとわずかだ」
その言葉にリアは息をのむ。
続けて男は笑った。
「助けたいなら、《西の魔女》を救え。彼女の命を繋げば、師の命も救ってやる」
意味不明な理屈に思えたが、その瞳に嘘はないようだった。
「そんなの不可能なのです」
リアは言う。
だが、クロは振り向きもせず闇に消えた。
残されたのは、胸の奥に広がる不安だけ。
リアは小さく息を吐く。
その時、肩の上で小さな声が響いた。
「リア、どうすんだよ?」
使い魔サシンの瞳が夜の光を反射する。
少女は立ち上がった。
「私、行くのです。西の魔女を――救いに。」