あらすじ
「上の階のリフォーム工事がいつまで経っても終わらないんです」
すべての発端は、私のサイトの問い合わせフォームに届いた、一通の些細なメールだった。
送り主は、都内のKマンションに住む主婦。彼女は半年以上も続く、上階からの「ドリルで壁を削るような音」に悩まされていた。
私はしがないオカルトライターとして、このありふれたご近所トラブルを記事にするつもりだった。
しかし、取材を進めるうちに奇妙な事実が浮かび上がる。
管理会社は「404号室は空室であり、工事など行っていない」と主張した。
過去の入居者への電話取材では「あそこには『もうひとつの部屋』がある」と意味不明な証言が得られた。
そして、入手したマンションの竣工図面と、現在の見取り図には、不可解な「隙間」が存在していた。
これは、私がKマンションの謎を追い、そして深入りしすぎてしまったがゆえに残すことになった、一連の取材記録である。
※本作品はフィクションです。実在の人物・団体・事件とは一切関係ありません。