あらすじ
神と魔の子どもとして生まれたセラエルとリリセアは、争いのない世界を願い、人間としてひっそり暮らしていた。
夜になると、リリセアの指先からこぼれる光が、谷間の村の草花を照らす。
その穏やかな日々は「静寂の幾星霜」と呼ばれ、神々でさえ見失った“世界の空白”だった。
やがて生まれる光の双子、アウリアとリュシア。
しかしその誕生は、天界には「異端」、魔界には「脅威」として映り、世界そのものが二人を拒絶し始める。
夫を奪われ、双子の命も狙われる中、リリセアは二人を抱いて闇夜を走る。
たどり着いた湖のほとりで出会うのは、のちにアルディナ王と呼ばれる青年オルフェン三世。
これは、王国の始まりであり、“エーテリウムの環”へとつながる最初の物語。
母の愛と、世界の恐怖と好奇心が交差する、誕生秘話の短編ファンタジーです。