あらすじ

秋雨の山奥の廃村・皮谷で、民俗学者の水城透は恩師・萩原教授の遺品整理のため廃診療所を訪れ、「皮剥ぎ祭」の資料と診療所地下の標本庫に眠る十七人分の「皮」だけの遺体を見つける。瓶に触れた瞬間、少女カヨが生きたまま皮を剥がされる記憶が流れ込み、水城は標本を大学へ持ち帰る。  生物学者・早瀬理沙の分析で、皮膚は未知の薬剤で今も生き、他者の皮膚を侵食しようとしていることが判明し、水城の左手には「タスケテ」の文字が浮かぶ。二人は再訪した皮谷で陸軍の極秘資料とフィルムを発見し、「皮剥ぎ祭」が人格転写実験の隠れ蓑として、娘たちが国家の名の下に皮を剥がされ兵士に移植された儀式だったと知る。標本が発光して少女たちの声が響く中、早瀬はカヨに肉体を乗っ取られ、水城もまた神社の御神体――十七人の皮を縫い合わせた巨大な肉の像――と接触し、十八人目として意識と皮膚を融合させられる。  東京へ戻った水城は外見こそ以前のままだが、十七人の少女と恩師の記憶と共に生きる存在となり、皮谷での戦時下の人体実験と民俗信仰の癒着を論文として記そうとする。

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エブリスタ2025/12/02
  • 現在の作品皮の花嫁