あらすじ

高校二年生の八坂渉は、夏休み前の一学期最後の日に、武道の名門である士道館高校に転校してくる。旧知の仲である生徒会会長、神凪洛子からの依頼を遂行するためだ。依頼内容は、生徒会が推薦した“問題のある”模範生徒から推薦の証である推薦校章を回収するというもの。渉は、少し天然気味な生徒会執行委員、遠山莉子の協力を得ながら、依頼任務の遂行に乗り出す。しかし、学園が存在するその街は、かつてこの地を平定した五つの武家の末裔――五山が絶対的に支配している街であり、その存在がこの問題にも大きく影響していることを知ることになるのだった。  生徒会が推薦した“問題のある”模範生徒は各学年に一人ずつ。いずれの生徒も再三にわたる生徒会の返還要請を無視し続けてきた一筋縄ではいかない問題児たち。  剣道部所属の三年生、織部那月は髪の毛をピンク色に染めている、およそ武道に関わっている者とは思えない風体。最近では学園にも部にも顔を出していないという。直前の大会で敗戦したことが何らかの要因となっているのではないかと疑われるが真偽は定かではない。  一年生の弓月凛子は、一学期の途中から学園に登校することがなくなった引き籠り。しかし五山の一角である弓月家の長女であり、その類まれなる弓道の腕前から天才、神童と呼ばれる彼女に対してクラスメートの反応はなぜか薄いものだった。彼女が学園に顔を出さなくなった本当の理由とは何なのか。  薙刀部主将にして生徒会副会長。五山の一角である佐倉家の長女、佐倉蒔絵は、学園内でも「蒔絵御前」ともてはやされるほど絶大な人気を誇る生徒。二年生の推薦生徒である彼女もまた、他の二人同様“問題のある”模範生徒なのだろうか。渉と莉子は、その真偽に迫る。  渉と莉子のコンビは、洛子の依頼を通して少しずつ五山の真実に近づいていく。舞台は学園から五山全体へと、学園の生徒から五山の当主たちをも巻き込んで広がりを見せていく。武士の末裔である五山の支配するこの街で、武道とともに生きている彼女たちにとって、武士道とはいかなるものなのか。果たして、そこにはどんな真実が隠されているのか。  息をもつかせぬスピーディーな展開と少しずつ明かされていく真実。はかなくも切ない青春のひと夏を舞台にした武士道絵巻。ラストまでたどり着いたとき、あなたは、この物語のタイトルの本当の意味を知ることになる。

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エブリスタ
エブリスタ2020/06/15
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