あらすじ
「どうせ私なんて、誰の“本命”にもならない」
そう思ったままアラサー独身で人生を終えたOL・美咲。
目を覚ますとそこは異世界、しかも自分は中流貴族の養女ミサとして、幼い王太子レオンの教育係を務めていて――?
礼儀や学問だけでなく、「感情」を教える役目を負ったミサ。
政略婚約を控えたレオンに、物語や芝居、仮想デートの稽古を通して「恋」を教えていくうちに、恋愛経験ゼロ同士の距離は少しずつ近づいていきます。
けれど周囲の目は冷たく、
「所詮は中流貴族の娘」「王太子の恋愛教材に過ぎない」と囁かれ、
ミサ自身も「私は選ばれる価値なんてない」と、前世からの傷に縛られたまま。
そんな中、名門公爵家の令嬢がレオンの婚約者候補として現れ、
ミサの解任やスキャンダルを狙う陰謀が動き出します。
王宮の舞踏会で、レオンが「誰の手を取るのか」が問われるとき――
彼が真っ直ぐに差し伸べたのは、ずっと傍で支えてきた“教育係”の手でした。
前世で一度も選ばれなかった彼女が、今度こそ選ばれる物語。
理不尽な扱いに胸が痛みながらも、
異世界で出会った少年と共に、「自分の気持ちを大切にしていい」と知っていく優しい恋のお話です。
読後には、少し切なくも「私も自分を大事にしてみよう」と思える、あたたかな余韻をお届けします。