あらすじ
書くことは、書き直すことである。
とりあえず書いて、あとは推敲で整える。その発想があなたの文章を凡庸にしている。
一稿目に書いたものは、自分が何を書きたいと思っているかを示す仮説にすぎない。その仮説を疑い、掘り下げ、時に壊し、時に捨てる。その過程こそが書くという行為の核心である。
推敲という言葉がまとってしまった手垢を落とし、書き直すことの本質を問い直す。
一稿目はなぜ足りないのか。削ることはなぜ怖いのか。自分の文章はなぜ読めないのか。いつまで直せば終わるのか。
カフカの日記、漱石の原稿、谷川俊太郎の詩、村上春樹の翻訳。作家たちがどう書き直してきたかを辿りながら、著者自身の原稿が変化していく過程も開示する。
推敲とは、書いたものを良くする技術ではない。書くことで自分が変わっていく経験そのものである。