あらすじ
映画監督のダリは、天才と呼ばれながらも、
愛を知らない男だった。
彼が唯一愛したのは、完璧な美を持つ女優・ガラ。
だが、彼女が見たのは
“美と依存で支配しようとする怪物”の姿だった。
彼はガラを題材に映画を撮る。
過去の苦痛を、執拗に、残酷に、
フィクションの名の下に暴き続けて。
公開初日。観客は熱狂し、喝采した。
だが、ガラの過呼吸がすべてを覆す。
「相当な性悪だっただろう?」
ダリの言葉は、矛先を自らに向ける
血のナイフとなった。
彼は失い、憎まれ、孤独の底で泣き叫ぶ。
それでも心は、ただ一つの真実を求めていた。
――愛されたい。
三年後、ガラは別の男と静かに幸せを掴む。
ダリはひとり、痛みを抱いたまま歩き出す。
たとえそれが、美の屍の上だとしても。