あらすじ
世界は、霧と迷宮に沈んでいる。
霧の集落《ミストモス》で自警団員として暮らす少年ラグナには、誰にも言えない秘密があった。それは、亡き母から託された《銀の箱》と、時折視界に浮かぶ“不可解な文字列(ログ)”が見えること。
ある日、ラグナは里の長老の頭上に、血の色をした文字を見る。
『執行刻限:明晩』
『対象:歪みの種として剪定(デリート)』
それは、世界を管理する“見えざる意思”が下した、絶対的な死の宣告だった。
平和な祭りの裏で忍び寄る、不可視の暗殺者。
魔法も剣も通じない、理(ことわり)の外にいる“異律”の怪物。
誰もが気づかぬまま破滅へと向かう中、ラグナは《銀の箱》を起動し、禁断の力に手を伸ばす。
『――始祖の権能(アクセス)、承認』
これは、旧人類の血を引く少年が、世界のルールそのものを書き換え、理不尽な“神”に抗う物語。