あらすじ

最初に降ったのは雪じゃない。灰だった。  崩壊した大陸に、かろうじて残された「帰り道」がある。導光で照らされた一本の避難路――白帯。  灰の大陸を、孤児院《光の園》の子どもたちを乗せた陸上戦艦《グレイランス》と、人型巨大兵器RFに乗る傭兵部隊《VOLK》が進んでいく。  若いパイロット・ヒロは、白帯を護ることだけを信じてRF-17Cを駆る。  相棒となるのは、過去に正規軍の狂戦士部隊《ヘルマーチ》に所属していた少年兵あがりの傭兵・アキヒト。  「守るために撃つ」ヒロと、「生き残るためになら何でも撃ってきた」アキヒト。  価値観の違うふたりは、ときにぶつかりながらも、灰に潜む異形の群れと、欲にまみれた企業、そして白帯を都合よく利用しようとする大人たちに立ち向かっていく。  避難任務、補給護衛、企業同士の小競り合い。  仕事をこなすたびに、VOLKは「白帯の外側」で行われている戦争の汚さを思い知らされる。  そしてある任務で、彼らはついに出会ってしまう。  白帯を割り、多くの民間人を死なせたヘルマーチの隊長にして、ヒロを捨てた父。  アキヒトを名前ではなく「番号」で呼び続けてきた男――コンラート・ヴェルナーに。  守るべきは、一本の白い道か、目の前の子どもたちか。  それとも、自分たちの矜持か。  折れた世界の片隅で、傭兵たちは何度も選び直す。  灰の降る戦場で、「帰る場所」をつなぎとめるために。

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カクヨム
カクヨム2025/08/05