あらすじ
一度死んだ令嬢ラウラは、父の禁術で「あと一年だけ動く身体」として蘇らされた。役目はただ一つ、借金のカタとして、辺境を守る黒鷲辺境伯エルドールの後妻になること。
心臓は遅く、体温は低く、強い感情を抱けばすぐに「止まりかける」半死体の花嫁。彼女の唯一の安息は、魔力を封じた棺の中で眠る時間だけだった。
愛されるつもりなどない。ただ静かに一年を終え、棺に戻るはずだったのに──無表情で冷酷と噂の辺境伯は、なぜか彼女を気遣い、触れられない距離でそっと甘やかしてくる。
義理の息子とのぎこちない日々、魔獣が迫る戦場の気配、十年前の事件の影、そして一年後に訪れるはずの「二度目の死」。
これは、自分の価値を知らない後妻と、過去に囚われた英雄が、「一年だけの契約」を押し倒して、人生ごと書き換えてしまうまでの物語。