あらすじ
「見つけた。私の『安全装置(セーフティ)』。……責任とって、私のこと管理してよね?」
ダンジョンが電気・ガス・水道に次ぐ「第四のインフラ」となった現代日本。その管理を一手に担うブラック企業『新宿ダンジョン公社』で、死んだ魚のような目をして働く社畜・工藤連次。彼の仕事は、ダンジョン内で発生するエラーを修正する地味な「デバッガー」だった。
ある深夜の残業中、連次は最深部で規格外のエラーに遭遇する。そこにいたのは、自身の強すぎる魔力に蝕まれ、泣き叫びながら暴走するS級探索者・星見アリサだった。
連次がユニークスキル《論理復元(ロジカル・リストア)》で彼女の暴走を「初期化」した瞬間―― 最強の魔女は、連次の放つ「安っぽい缶コーヒーと煙草の匂い」に、唯一の安らぎを見出してしまった!?
「貴方の匂いがないと、頭が割れそうなの。……充電させて」
翌日、公社に乗り込んできた彼女によって、連次は『S級魔女の専属管理官(兼・人間抱き枕)』に任命されてしまう。 職場ではデスクの下で足を絡められ、自宅では布団の中で抱きつかれる。 バグった最強メンヘラ魔女と、彼女を定時までに修正(メンテ)しなければならない社畜の、命がけの残業(同棲ラブコメ)生活が幕を開ける!
【登場人物紹介】
◆工藤 連次(くどう れんじ)
新宿ダンジョン公社・施設管理部の万年主任。26歳。「冒険」を嫌い、「定時退社」を愛する枯れた社畜。戦闘能力は皆無だが、対象の存在定義を初期値に戻すスキル《論理復元》を持ち、魔王クラスの暴走さえも指パッチン一つで「事務処理」する最強の裏方。
◆星見 アリサ(ほしみ ありさ)
国内最強と謳われるS級探索者。「災厄の魔女」19歳。呼吸するだけで無限に魔力を生成する体質ゆえに、常に頭痛とノイズに苛まれている。連次のスキルと「匂い」だけが苦痛を取り除いてくれるため、彼を「精神安定剤」として依存し、物理的に離れられなくなる。 外では冷徹な女王様だが、連次の前ではポンコツで甘えん坊な「備品」と化す。
【組織・世界観】
◆新宿ダンジョン公社
ダンジョンを電気・ガス・水道に次ぐ「第四のインフラ」として管理・運営する巨大組織。ファンタジーな冒険の場を徹底的に「産業」として扱っており、内部は官僚主義とブラック労働が蔓延る伏魔殿。主人公が所属する「施設管理部・不具合対策課(バグ取り課)」は、冒険者が華々しく戦う裏で、徹夜でエラー修正や魔物(オブジェクト)の処理に追われる社畜の巣窟である。
◆タルタロス・ダイナミクス
ダンジョンの完全民営化と軍事利用を目論む巨大複合企業。 公社とは対立関係にあり、裏では非人道的な人体実験や、人為的なダンジョン災害(テロ)を引き起こしている。 かつてアリサを「生体兵器」として開発した元凶であり、彼女を回収しようと執拗に狙う。
◆ダンジョン(新宿)
都心の地下深くに広がる、巨大なエネルギー供給源。システムによって管理されているが、近年は老朽化による「バグ(未知の挙動)」や「エラー(魔物暴走)」が多発中。深層には、システムすら制御不能な「未探査領域(アビス)」が広がっている。