あらすじ
――幼いころから、世界には“本来いるはずのない気配”が多すぎた。
ある朝。
少女・**神薙依凛(かんなぎ いりん)**の部屋に、
三百を超える怨霊が静かに立ち並んでいた。
彼らは一斉に告げる。
「姫。あなたを守るために集った」
しかし依凛には、
守られる理由も、祟られる覚えも、何一つない。
彼女の周囲に寄り添う気配は、
時に優しく、時に凶暴で、時に“形すら保てない”。
日常は軋み、
家族の影は薄れ、
学校の廊下には“三百の視線”がついてくる。
怨霊たちは何を望むのか。
なぜ彼女だけが“王女”と呼ばれるのか。
日本最古の祟り譚が、静かにほどけ始める。
祟りは恐怖か、祝福か。
それとも――依凛の記憶の奥に封じられた、
もうひとつの“名”の呼び声なのか。