あらすじ
前世の俺は、重度の血液恐怖症だった。
小さな切り傷でパニックになり、
採血で倒れ、赤い液体の流れを見るだけで息が詰まる。
そんな俺が――
吸血鬼王国の第一王子に転生した。
当然、血を見ると吸血衝動より早く倒れる。
王家の訓練では流血寸前で震え、
「血が怖い吸血鬼」なんて国家機密だ。
それでも俺は逃げたくなかった。
血が見られないなら、傷つかなければいい。
血を流させないように戦えばいい。
そうして辿りついたのは――
“絶対に傷つかない無血戦闘術(紅零流)”。
そして恐怖の果てで覚醒した固有能力
《零冠(ゼロクラウン)》――“血が流れる未来”だけを断つ力。
兄弟の葛藤、王家の呪い、聖血の秘密、歪んだ継承儀式。
血だらけの世界で、血を最も怖れる俺は、それでも前に進む。
血液恐怖症の吸血鬼王子が、
無血で、優雅に、世界を変える――魔王譚。