あらすじ
あらすじ
平成十五年の東京。
古い蔵を整理していた青年・伊織は、先祖の名を記す“黒い面”を発見する。
面に触れた瞬間、彼の脳裏には明治二十二年の東京を駆けた義賊・佐々木五郎の姿が流れ込む。
五郎は悪を裁く「現代に残らぬ義の盗賊」。
伊織はその血を引く子孫だった。
面は、明治と平成を“繋ぐ”不思議な力を持ち、二つの時代の出来事はじわりと影響し合い始める。
過去の義賊が挑む巨悪の闇と、平成の東京に潜む新たな陰謀。
時空を超えた義の物語が、ゆっくりと動き出す――。
登場人物
◆平成篇(現代側)
● 伊織(いおり)/22歳前後
本作の主人公。下町育ちの普通の青年。
祖父の遺品整理中に“黒面”を見つけ、義賊の血を引いていたことを知る。
面に触れるたび、明治の義賊の視界や感情が流れ込み、運命に巻き込まれていく。
● 伊織の祖母・道代(みちよ)/70代
蔵を守ってきた家の長。封印された面の存在を知っているが、語ろうとしない。
何か重大な秘密を抱えている様子。
● 結衣(ゆい)/伊織の幼なじみ
実家が写真館。
伊織の変化に最初に気づき、サポート役になる。
後に面の歴史を調べる中心人物に。
◆明治篇(過去側)
● 佐々木五郎(ささき ごろう)/30歳前後
明治中頃の東京を舞台に活躍する義賊。
悪徳代議士や資本家を狙い、庶民の恨みを晴らす存在。
“黒面”を付けると超人的な動きが可能になる。
伊織の先祖であり、面のルーツ。
● お春(はる)/20代前半
五郎の協力者。小料理屋「花むら」の看板娘で情報屋。
五郎の無茶に振り回されつつも、最も信頼される存在。
● “面”を鍛えた職人・宗次郎(そうじろう)
五郎の理解者であり、黒面を修復し続けてきた職人。
面の秘密の一端を知る人物。