あらすじ
私は五万円札。ご承知の通り、現在我が国で流通している最高額の紙幣です――。
未来の日本で、新しい紙幣『五万円札』が発行された。それは、国家の威信をかけ、最新技術を惜しげもなく投入した世界初のスマート紙幣。偽造防止のための専用チップを備え、サーバーに使用履歴を登録することが出来るという優れもの。ところがある日、この機能により、主人公の五万円札は、自分と同じ記番号の札が流通していることに気が付いてしまう。つまりそれは、自分の偽物が存在しているということ。大変です。これは何としてでも見つけ出さなければ――。
第2回HelveticaBooks短編小説賞にて、一次選考通過した作品を全面改訂。
テーマは「穴」でした。