あらすじ

(場面:教会。護は壇上に立ち、静かに語り始める。) 護「私が少年の頃に出会った一冊の本があります。それは、『老人と樹』というタイトルの話でした。」 (場面:護の回想。少年時代の護が、古びた絵本を読み耽っている。) 護「内容はこうです。少年は樹木に問いかけました。『腹が減って死にそうだ』と。すると樹木は答えました。『それじゃあ、林檎の実をお食べ』と。」 (場面:教会。聴衆は、護の言葉に耳を傾けている。) 護「少年は暫く来ませんでした。大人になって、会社員になっていたからです。でも、いくら働いても自分の家さえ買えないことを樹木に相談すると、樹木は答えました。『それじゃあ、私を切って家を作り、家族を作って楽しく人生を楽しみなさい』と。」 (場面:教会。護の声が、一段と深みを増す。) 護「そしてまた、暫く少年は来ませんでした。少年は老人に成っていました。老人に成った少年は、やっと人生とは何かに気づいた時には遅く、取り返しがつかないことに気づいたことを樹木に語って、人生に疲れたと言って肩を落としていました。すると、樹木は答えました。『すまない、君にもう何も与えてあげられない。だから、私の切り株に座って休めばよい』と。」

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小説を読もう2025/12/01
  • 現在の作品海と老人とカノン