あらすじ
人間が商品として陳列される世界で、リコルと呼ばれる青年、清女たちは家畜同然に売買される。
その中で乙(オツ)くんは、色白で無愛想、買い手に媚びない態度から、毎晩のように売れ残り、閉店間際には半額シールを貼られる存在だった。
ある夜、乙くんを凝視する青年・宮田涼介が現れる。
綺麗な顔立ちに似合わず、息を荒げ、頬を紅潮させた宮田は、彼に異常な執着を示し、そのまま半額の乙くんを買い取ってしまう。
宮田は「僕だけのリコル」として彼を手元に置き、支配にも愛情にも似た行動で乙くんを囲い込もうとするが、乙くんは、人間への反抗心と空虚さを抱えたまま心を開かない。
しかし、共同生活の中で、宮田の歪んだ優しさや本心が少しずつ見え始め、乙くん自身も、自分が商品ではなく一人の人間として見られていることに気づいていく。
半額で買われた夜から、二人の危うく奇妙な関係が静かに動き出す――。