あらすじ
「アーリアンナ! お前のような地味で華のない女は、我が国の王妃にふさわしくない!」
叫ぶのは婚約者である第一王子エグハード。腕には異母妹コルリスがこれ見よがしに抱きついている。コルリスは燃えるような赤い髪と扇情的なドレスで、今夜のパーティーの悪目立ちする花だ。
「そうよ、お姉様! 王子様の隣には輝く存在……私こそふさわしいの! お姉様はネズミ色のドレスみたいに、いつも隅っこで薬草くさいフラスコばかりいじってて……地味な!」
(薬草いじり、ね……)
内心で冷笑した。工房でいじっているフラスコの中身が国の経済と軍事を支えているなど、愚かな二人は夢にも思っていない。