あらすじ

三丁目の怪物  この町の三丁目には、怪物が棲んでいる――と、少なくとも町内会の老人たちは声を揃えて言った。  ただし、彼らは一様にその実体を知らないらしく、「見た」という者ほど、決まって翌日には言うことを変えるのだった。  「いや、あれは怪物なんかじゃなかった。ただの猫だ」  「いや、よくよく見れば郵便受けだったかもしれん」  「いや、もしかするとワシの影だったのかもしれん」  そんな曖昧な証言ばかりが積み重ねられ、いつしか三丁目の怪物は、この町の迷信のように扱われてきた。  しかし、噂が噂で終わらなかったのは、むしろ住民たちの怠惰と無関心のおかげである。  誰も自分で確かめようとしない。  誰も真実を欲しがらない。  それゆえ怪物は、存在しているのかどうかさえ、曖昧なまま今日まで居座り続けた。  さて、この物語は、そんな三丁目の片隅に越してきた一人の青年――  黒田慎太郎(くろだ しんたろう)が、 “怪物”の実体を求めてささやかな冒険をする記録である。

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カクヨム
カクヨム2025/11/30
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