あらすじ

世界のエネルギーは、「オリジン・オイル」と呼ばれる魔法のような燃料によって回っている。 その一滴一滴には「原産コード」が埋め込まれており、本気を出せば、どの国の油田から出て、どの港を経由し、どの国のタンクに入ったか──すべて追跡できるはずだった。 北方の大国〈ツァール連邦〉が隣国に侵攻したとき、七つの海をまたぐ同盟国家群〈七海同盟〉は、ツァール産オイルに制裁をかけた。 だが、主人公・篠宮湊が勤める〈起源省〉のログには、奇妙な数字が並びはじめる。 ──ツァールの油が、姿を変えて世界を回り続けている。 中継港で油を混ぜて利ざやを稼ぐランドリー商会。 「どうせ痛みを引き受ける覚悟なんてない」と嘲笑するツァールの“幽鬼元帥”。 支持率と電気料金に縛られる、七海同盟の指導者たち。 「ここでトレースしないなら、歴史はきっと一九四〇年を繰り返す」 バルト沿岸の小国に、戦車ではなくドローンだけが大量に飛びはじめたとき、 湊と、改革派の女性大臣・高城理子は、国家と世界を巻き込む「オリジン・トレーサー計画」に踏み出す。 これは、 “起源をたどれない戦争”を終わらせようとした人々の、政治経済SF戦記である。

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小説を読もう2025/12/01
  • 現在の作品オリジン・オイル戦記 ~トレースできない戦争を終わらせろ~