あらすじ
夏祭りの夜、僕は殺された。
だが終わりではなかった。
次に目を開けたとき、
広がっていたのは “僕ではない誰かの三日間” だった。
その三日が過ぎるたび、
僕の視界は、また別の人物へとずれていく。
なぜ“あの夜”から、
この奇妙な流れが始まったのかは分からない。
けれど、この夏の渦の中心にいるのが
紛れもなく自分自身であることだけは、はっきりしていた。
この村には古くから
「バケネコは川へ還す」
という風習が伝わっている。
迷信のようでいて、
僕の身に起きていることとどこかで繋がっていた。
視界が変わるたび、
あの夜へ向かう“流れの正体”が少しずつ形を見せ始める。
——刻は、僕を逃がさない。
静かに渦を巻く、因習と怪異の物語。