あらすじ

​長年の不作と、赤の国に起こる50年に一度の炎竜の加護による大干ばつを前に、青の国は赤の国へ侵攻を決めた。 ​青の王子サフィルスが先陣を切った目的は、他国の加護を手に入れることではなかった。かつて出会い、心を寄せた赤の国の姫ルビーナが、その年に炎竜への生贄として捧げられる運命を知っていたからだ。儀式を阻止し、彼女を救い出すこと――それがサフィルスの真の思惑だった。 ​しかし、戦いは開戦することなく終わる。突如として立ち上った金色の炎の柱は、青の軍勢の無力を兵たちに悟らせた。サフィルスは赤の国に囚われ、そして彼の祖国は報復によって滅亡する。 ​死を覚悟したサフィルスが謁見の間で見たのは、燃えるような赤い髪と金色の瞳を持つ、炎を体現するかのような女帝の姿だった。それは、かつてサフィルスが想いを寄せた、儚げな少女の面影を微塵も残していなかった。 ​「ごきげんよう。青の王子サフィルス様。炎帝ルビーナにございますわ」 ​彼女は、炎竜を従え、自らを「炎帝」と名乗る。そして、サフィルスに告げた一言は、死刑宣告ではなく、予想だにしないものだった。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
カクヨム
カクヨム2025/11/30
  • 現在の作品炎帝の愛した命の鎖