あらすじ
意識不明で先の長くない貴方のお見舞いに、私は花を選ぶ。立ち寄った花屋で生花ではなく、オレンジ色の造花のカーネーションに私は強く惹かれた。
「なぜこれを選ぶのか」と問う店員に
私は「魔法にかけられたようで」と答え購入する。
病院の静寂の中、私は眠る貴方に造花を見せて独白を続ける。「病室に香りの強い花は良くないから造花にした」と平静を装うが、心の奥底には貴方との幸せな記憶を封じ込めた「引き出し」がある。
何度目かの訪問。愛する貴方が苦しむ姿を見続ける自分の苦痛が限界に達し、感情の「引き出し」が音を立てて開く。
「私、いつまでこうしてればいい…?」
涙ながらに絶望を吐き出した後
私は貴方を抱きしめる。
「誓います。この死が二人を分かったとしても
あなたを、あなただけを愛し続けることを。」
私は、永遠の愛を神に祈り、そして貴方に願う。
「だからどうか、あなたも、造花のように、永遠に愛し続けてね。」
彼女の行為は
「変わらない深い愛情」を永遠に保つための
2人だけの特別な儀式だった。