あらすじ
入院中だった娘が誘拐された。犯人からの接触はまるでないまま数年が過ぎ去る。
妻とも離婚し、仕事どころか、生きていくことさえ面倒に思えてきた頃、たまたま耳にしたのが臓器売買の噂だった。幼い子供を誘拐し、その臓器を売り飛ばす。そんな馬鹿なことがあってたまるか!? そう思いながらも、男は疑念を吹っ切れない。
そうして突然、妻だった女が自殺する。そんな元妻の葬儀からの帰り道、高校時代同級生だったという女性と偶然知り合い、彼女からなんとも奇妙な動画を見せられるのだ。
それは過去に放送された捜索番組で、捜索にあたった捜査官が最後に不思議な言葉を残すのだった。
「この子はいろんな場所にいるわ、そう、世界中にね……」
そんな意味不明の声に、当然のように司会者が彼女に訊ねる。
「それは、どういうことですか? もう、生きてはいないということですか?」
「もう、バラバラだから、残念だけど……」
透視は失敗したか? 何もはっきりしないままコマーシャルに切り替わり、スタジオに戻った時には彼女の姿は消えていた。
そうして男は己の力で、娘の行方を突き止めようと決意する。
キャサリンという占い師の助けを借りて、男は事件の核心へと近付いていった。
移植手術を待ち望んでいた中学生がいきなり退院し、その直後に男の娘は消え去った。担当だった外科医もその理由を知らないという事実は、いったい何を指し示すのか?
さらに自殺した元妻に、散々嫌がらせをしていたという女性の存在は、果たして娘の誘拐に関係しているのだろうか?