あらすじ
ISSの宇宙飛行士・水嶋慧は、地球から発せられる謎の周期信号を観測し、故郷の星に迫る未知の脅威を察知する。その信号は、地球の記憶の奥底から蘇った、神々の**「歌」に導かれていた。慧の要請を受けた天才科学者・神代藍は、量子コンピュータ「カッサンドラ」を用いて、信号を宇宙の秩序を司る「調律者」**の力と特定する。
政府は特殊部隊**「ウルフパック」を派遣し、リーダーのヤヌス**、狙撃手のスペクターらは、アンデス山頂の異星装置と戦闘する。彼らは、通常の兵器が通用しない中、78.7ヘルツの「不協和音」が唯一の弱点であると見抜き、ヤヌスの捨て身の突撃とスペクターの正確な射撃により装置を沈黙させるが、仲間のジャガーノートを失う。
この戦闘と藍の解析を基に、慧は、ヤヌス、スペクターと共に、人類の矛盾した力をエネルギーに変える**「トリニティ・ドライブ」を搭載した深宇宙探査船アルゴ号**の船長に就任。コラールが遺した星図に従い、ケンタウルス座アルファ星系へ旅立つ。
現地でアルゴ号は、生命の「歌」を喰らう高次元の捕食者**「サイレンス」と、サイレンスを狩る絶対的な支配者「コラール(狩人)」**に遭遇する。コラールは人類を「特異点」と見なし、ヤヌスを捕縛。慧は、人類の混沌こそがコラールとサイレンスの両方を欺く唯一の戦略であると説き、交渉のテーブルにつく。
コラールが仕掛けた罠(水晶の檻)により再び危機に瀕するも、慧は**「破砕のカデンツァ」を即興で作曲し、ヤヌスの闘争心とスペクターの冷静な情の連携により檻を破壊し、コラールの予測を裏切る。さらにコラールから「魂のセッション」を要求されると、慧はヤヌスたちの生の感情をコラールの思考に叩きつけ、彼らの論理体系に「痛み」と「興味」というバグを発生させる。コラールは人類を「理解不能な特異点」として認識し、「沈黙の歌」の完全な楽譜**を与える。
しかし、その楽譜がトリニティ・ドライブの混沌と相容れない完璧な秩序を要求すると知ると、慧はそれをそのまま使わないことを決断。神々の完璧なフーガと、人間の不完全なカノンを同時に演奏するという、狂気の航法を考案し実行する。この矛盾のソナタは宇宙に共振経路を生み、地球の藍との奇跡的な通信も成功させる。人類の不完全性の美しさを宇宙に証明し、アルゴ号は地球に帰還する。人類の孤独な時代は終わり、宇宙との新たな対話が始まる。