あらすじ

大正の世。 異能と神異を受け継ぐ名家たちが、政(まつりごと)と影の中で密かに勢力を保ち続けていた。 花守家の長女・花守詩乃(しの)は、咲耶姫の血筋を継ぐ名家に生まれながら異能を持たない娘として蔑まれ、家族からも、世間からも価値を見出されずに生きてきた。 妹・華澄にはすでに名家の許嫁がつき、家族は華澄の将来だけを誇りにする。 詩乃はただ、家の隅でひっそりと花を眺める日々。 しかし、ある春の宵。 異能家系の頂点に君臨する、黒峰家の若き当主、黒峰朔也が詩乃の前に現れる。 冷酷無慈悲と噂される男が、詩乃を見た瞬間、たった一目で言った。 『...お前だ。 我が妻に相応しい、遅咲きの花だ』 やがて明らかになる詩乃の真実。彼女は異能なしではなく、まだ開花していないだけの 神花(しんか)ーーー咲耶姫の直系能力を宿していた。 花守家が見捨てた少女は、実は家系史上もっとも強い力を秘めていたのだ。 だが、その覚醒は朔也の荒焔(あらほのお)に反応し、神異家系の均衡を揺るがし始める。 一方、妹の華澄の許嫁、月狐の血を継ぐ紫堂煌牙もまた、詩乃の覚醒により影を揺らし神々の時代が終わろうとしていることを直感する。 異能の花が遅れて咲く時、世界の運命が動き始める。 神性と血に縛られた少女はーーーー 花としてではなく、人として生きる未来を選べるのか。 そして、朔也が差し伸べた手に詩乃はどんな運命を見つけるのか。 これは、強さでも家系でもなく、自ら選び取った愛と生き方で未来を拓く 大正ロマンス・ファンタジーである。

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カクヨム
カクヨム2025/11/29
  • 現在の作品大正異能譚ー花は遅れて咲くー