あらすじ
かつて、世界に数多の神々がいた。神々は各々が様々な概念を司り、その英知により栄華を極めていた。
しかし、そんな神々の中の生命の創造をつかさどる一柱。彼は、神がその力におぼれほかの生命を虐げることを良しとせず、その力をもってして魔物を創造し他の神々に反逆した。
戦いは凄惨を極めた。神々は日ごろの諍いを解決する口実を見つけたとばかりに参戦した。老若男女問わず血を流し、その混乱は多くの神々を弑した。
そして長い戦乱の末、一人の天空島に住む戦神が決意を下した。
「神の矢をもって生とし生ける万物を焼き尽くし、この悲劇を終わらせよう。」、と。
そこからは早かった。世界中に空から神の矢が降り注ぎ、大地をその地獄の業火で染め上げた。その炎は世界を焼き尽くし、あらゆるものを飲み込んだ。矢を放った戦神さえも。
地上からはありとあらゆるものが消え失せていた。ただ、一人の神と微小な生命を除いて。
比較的被害の薄かった天空島の神々は歓喜した。自分たちの勝利に、魔の滅亡に。
しかし、彼らは孤立無援の天空の上で生きるすべを失い自滅した。
一方地上では、生き残ったのは最初に神々に反逆を仕掛けた神だった。
皮肉なことに、彼を守ったのは彼がほかの神々を殺す兵器としてもっとも手塩にかけて育てた巨大な狼だった。
彼は決意をした。自分が引き金を引いた戦争の始末をつけようと。
そして、彼は最期にその力のすべてを使って生とし生けるものすべてを創造した。
魔物、人族、天人族、母なる大地からそのすべてを作った。ある種には力を、ある種には知恵を、ある種には生き抜くすべを。
...そうしてすべての生命へこの世界で生き抜く力を授けた神は土へ帰った。
そうした神々の時代の終焉から1万年後。
長い年月をかけて天は、地は再びその息吹を取り戻していた。