あらすじ
星々の海を旅する修学旅行中、
サガ、ピノ、甲州、そしてAIロボのベラを乗せた船は、
ブラックホール近傍で“起こるはずのない重力異常”に飲み込まれた。
船は真っ二つに裂け、
サガは千年の眠りからただひとり目覚める。
そこは、巨大樹ユグドラシルが世界を支える異星〈ミストラ〉。
木々の内部を光が流れ、生き物の気配が途絶えた“禁域の森”。
サガはエルフの少女レティアに保護され、
異質な存在として里で半隔離生活を送ることになる。
だが間もなく、彼の身体に宿った“イドラス”と呼ばれる未知の力が、
世界の理と矛盾した危険な兆しを見せ始める。
一方、視覚を失ったAI・ベラは
失われた仲間たち──ピノと甲州──の生命反応を守りながら、
破損した船の残骸とユグドラシルの秘密に迫っていく。
船の後部が墜ちたのは、遠く離れた混沌の都市ヴァロライン。
そこでは、イドラス循環の異変がすでに世界規模の危機を引き起こしつつあった。
エルフ、吸血族、人間。
三つの種族が均衡を保つこの星で、
サガは無自覚のまま“神話級の存在”と誤認され、
世界の争いの中心に引きずり込まれていく。
仲間を探すために。
自分が何者なのかを知るために。
そして、世界の崩壊を止めるために。
これは、千年の眠りから目覚めた少年が、
異世界で〈仲間〉と〈自分〉を取り戻していく物語。
“人間の感情”を失った少年が、
未来の世界で──
もう一度心を取り戻すまでの、長い旅の始まり。