あらすじ

恋人の死をきっかけに、陸久の時間は止まった。 発作のように蘇る最期のイメージ、押し潰されるような息苦しさ。 カウンセリングも薬も効かないまま、二年以上が過ぎていた。 そんな陸久に提示されたのは、特定の記憶を不可逆的に消去する治療。 彼女と過ごした日々も、別れの言葉も、死のイメージさえも―― すべて、脳から切り離してしまうという選択。 忘れたら、彼女は本当に自分の中から消えてしまう。 けれど、忘れなければ、このまま自分が壊れてしまう。 その板挟みの中で悩み抜いた末に、陸久は治療台に横たわる。 鎮静剤が身体に広がり、記憶の海が白い闇へと沈んでいくとき、 彼は「君を消した自分」として、もう一度生き直すことになる。 記憶から“君”の存在を消し去ることを代償に、それでも生きようとする一人の少年の、静かな再起の物語。

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カクヨム
カクヨム2025/11/29
  • 現在の作品君を消した日