あらすじ

永友は国民年金、厚生年金、船員保険年金の合算によって、生活費には支障無く暮らしている。軍隊には八年いたが、恩給支給年限には足りない。いくらかの預金もある。 食料と日用品以外に買うものは余りない。読書以外にこれといった趣味もない。数年前から菊の花を咲かせる楽しさに気づいたが、大して金がかかるわけでもない。 夕食を摂り、入浴を終え、寝るだけを残してウィスキーを飲み始める。ひとり暮らしで話し相手はいない。つまらないテレビを音と映像の散布装置として稼働させてはいるが、内容を追ってはいない。 いくらかのウィスキーで頭が心地良く痺れてくると、若かった頃の記憶が湧き出す。僅かの時間、あるいは一時間以上にも亘って自身の過去を思い出すことが習慣になっている。

連載情報

ウェブ小説

配信言語